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ホンコンシオマネキ (Northern Calling Fiddler Crab)

Gelasimus borealis

ホンコンシオマネキ (Northern Calling Fiddler Crab)

<オス 甲幅2.1cm> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌

分布:香港、中国(浙江省、福建省、広東省)、台湾(北部)

ホンコンシオマネキは香港、中国、台湾に生息するシオマネキの仲間。
香港城市大学のビリー博士に、香港の北部にある元朗区の下白泥へ案内していただいたときのこと、初めてみるシオマネキの仲間が本種だった。
下白泥の干潟は砂から泥まで、様々な底質の場所がみられる。本種がみられたのは砂~やや泥が混じる砂の場所。
他のシオマネキの仲間に比べると警戒心が弱く、捕まえやすい印象だった。例えばハクセンシオマネキはいつでも巣穴の中に逃げ込めるように巣穴から遠くへ行かず、危険を感じるとすぐに巣穴の中に逃げ込むが、ホンコンシオマネキはまるで旅人のように移動している。驚くと巣穴の中に逃げ込むこともあるが、それがその個体の巣穴かどうかは怪しい。通常危険を感じると砂の中に潜るので、もしかしたら巣穴を作らないのではないかと個人的に推測している。
甲の色は褐色で、大鉗脚の不動指はオレンジ色で湾曲し「W」の形に例えられる。甲の色彩を除けばヒメシオマネキと非常によく似ている。

ホンコンシオマネキオスの腹面

<オス 甲幅2.1cm> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキオスの腹面

ホンコンシオマネキオスの腹面。
通称「ふんどし」と呼ばれる腹部は細長い。

ホンコンシオマネキオスの大鉗脚

<オス 甲幅2.1cm> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキオスの大鉗脚

ホンコンシオマネキオスの大鉗脚。
不動指はオレンジ色をしている事が多い。またその形は「W」の形に似る。表面には顆粒がみられ、不可動指には三角形ににた溝があり、それが指先の方まで続いているのが特徴。

ホンコンシオマネキの甲

<オス 甲幅2.1cm> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキの甲

ホンコンシオマネキの甲。
筆者が撮影してきた個体に限っての話だが、ホンコンシオマネキの甲には矢印で示した位置に小さな黒班があることが多い。
これはメスにもみられるので見分ける際のひとつの参考になるかもしれない。

ホンコンシオマネキのオス

<オス 甲幅2.0cm> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキのオス

ホンコンシオマネキのオス。
オスは片方の鉗脚が巨大化するが、左右のどちらが大きくなるかは決まっていない。

ホンコンシオマネキオスの大鉗脚

<オス 甲幅2.0cm> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキオスの大鉗脚

泥中の有機物を食べるデトリタス食なので、餌を採るにあたってオスのような大鉗脚は何の役にもたたない。大鉗脚はウェービングと呼ばれる求愛行動のためのもので、大きいほどメスにアピールする力がある。

ホンコンシオマネキのメス

<メス 甲幅1.3cm 右第4歩脚が欠損> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキのメス

ホンコンシオマネキのメス。
メスの鉗脚は両方とも大きくならない。

ホンコンシオマネキメスの腹面

<メス 甲幅1.3cm 右第4歩脚が欠損> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキメスの腹面

ホンコンシオマネキメスの腹面。
通称「ふんどし」と呼ばれる腹部は丸い形。

ホンコンシオマネキメスの腹面

<メス 抱卵 甲幅1.4cm 右第2歩脚が欠損> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキのメス

ホンコンシオマネキのメス。
メスの鉗脚は両方とも大きくならない。

抱卵したホンコンシオマネキのメス

<メス 抱卵 甲幅1.4cm 右第2歩脚が欠損> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■抱卵したホンコンシオマネキのメス

抱卵したホンコンシオマネキのメス。

ホンコンシオマネキの卵

<メス 抱卵 甲幅1.4cm 右第2歩脚が欠損> 手づかみ 2016.9.13. 香港/新界/大嶼島/東涌 

■ホンコンシオマネキの卵

本種に限らずメスは卵を腹部に産み、孵化するまで保護する。

穴から出てきたノーザンコーリングフィドラークラブのオス

<オス> 2016.6.25. 香港/元朗区/下白泥 

■穴から出てきたホンコンシオマネキのオス

大きな鉗脚を持つホンコンシオマネキのオス。
穴に隠れていたが、周りを観察し、危険がないと判断すると穴の中から出てきてくれた。

穴に隠れるノーザンコーリングフィドラークラブ

2016.6.25. 香港/元朗区/下白泥 

■穴に隠れるホンコンシオマネキ

危険を察知し、穴の中に隠れるホンコンシオマネキ。

水の中に入っているノーザンコーリングフィドラークラブ

<オス> 2016.6.25. 香港/元朗区/下白泥 

■水の中に入っているホンコンシオマネキ

シオマネキの仲間はあまり積極的に水の中に入っていくイメージがないが、本種は海へ流れ込む小川でもよくみられた。

泥の中に隠れようとする

<オス> 2016.6.25. 香港/元朗区/下白泥 

■泥の中に隠れようとするホンコンシオマネキ

危険を察知するも、隠れる穴がない場合はその場で泥の中に隠れようとするようだ。
このような行動をとるので簡単に捕まえることができる。

眼を折りたたんだノーザンコーリングフィドラークラブ

<オス> 手づかみ 2016.6.25. 香港/元朗区/下白泥 

■眼を折りたたんだホンコンシオマネキ

左側の個体を眼を折りたたんでいる。眼柄の横にある溝は眼がぴたっと収まるようになっていることが分かる。

ノーザンコーリングフィドラークラブの鉗脚

<オス> 2016.6.25. 香港/元朗区/下白泥 

■ホンコンシオマネキの鉗脚

ホンコンシオマネキの大鉗脚の不可動指は「W」の様に波打っている形をしている。
自分がみた範囲では可動指は白く、不可動指はオレンジ~黄色っぽくなっているものが多かった。

ホンコンシオマネキの生息環境

2016.8.21. 香港/新界/大嶼島/東涌/東涌湾 

■藻類の上で摂食するホンコンシオマネキ

マングローブ林の淵に広がっていた、藻類が地表を覆っている場所でホンコンシオマネキがたくさんみられた。
驚くと藻類の下や穴の中に逃げる。隠れ家としても最適な場所だ。

ホンコンシオマネキの生息環境

2016.8.21. 香港/新界/大嶼島/東涌/東涌湾 

■ホンコンシオマネキの体色変異

比較的地味な色が多いホンコンシオマネキ。
しかし、よく観察すると茶色~白とカラーバリエーションは豊富だ。

ホンコンシオマネキ

2016.8.21. 香港/新界/大嶼島/東涌/東涌湾 

■ホンコンシオマネキ

薄い褐色のタイプ。

ホンコンシオマネキ

2016.8.21. 香港/新界/大嶼島/東涌/東涌湾 

■ホンコンシオマネキ

甲は純白に近いタイプ。
一見すると同所に生息するハクセンシオマネキと見間違えそうだ。
この場合、鉗脚をよくみると見分けることができる。ホンコンシオマネキの大鉗脚には顆粒がみられ、また指の形は「W」に例えられるように波打った形をしている。

ホンコンシオマネキ

<オス> 2016.6.25. 香港/元朗区/下白泥 

■ホンコンシオマネキ

褐色のパターンが最もよくみられる。

ホンコンシオマネキのウェービング

2016.9.12. 香港/新界/大嶼島/東涌/東涌湾 

■ホンコンシオマネキのウェービング

ホンコンシオマネキのオスは大鉗脚を大きく振ってメスに求愛するウェービングと呼ばれる行動をとる。

ホンコンシオマネキのウェービング

2016.9.12. 香港/新界/大嶼島/東涌/東涌湾 

■ホンコンシオマネキのウェービング

ホンコンシオマネキのオスは大鉗脚を大きく振ってメスに求愛するウェービングと呼ばれる行動をとる。

砂の中に潜るホンコンシオマネキ

2016.9.12. 香港/新界/大嶼島/東涌/東涌湾 

■砂の中に潜るホンコンシオマネキ

危険を察知して砂の中に潜ったホンコンシオマネキ。2匹がお見合いするような形になっていておもしろい。

ホンコンシオマネキの生息環境

2016.8.21. 香港/新界/大嶼島/東涌/東涌湾 

■ホンコンシオマネキの生息環境

香港国際空港のすぐ近くにある東涌湾。
ここにもたくさんのホンコンシオマネキが生息している。特に芝のようにみえる緑色の藻類が覆った場所でよくみられた。

ホンコンシオマネキの生息環境

2016.6.25. 香港/元朗区/下白泥 

■ホンコンシオマネキの生息環境

ホンコンシオマネキの生息環境。
底質が砂~やや泥が混じる砂の場所でみられた。


眼遊記

531 Tung Chung Bay ~香港の素晴らしい干潟とそこに生息する生き物たち その2~
526 Tung Chung Bay ~香港の素晴らしい干潟とそこに生息する生き物たち その1~
511 下白泥 ~香港の干潟~

 

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