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イシガニ (Shore Swimming Crab)

Charybdis japonica

イシガニ (Shore Swimming Crab)

<甲幅9.5cm・オス> マス網 2005.12.8. 島根県/松江市/美保関町/境水道

分布:日本(北海道南部から九州)、韓国、中国、台湾

イシガニは沿岸域で普通にみられるワタリガニ科のカニで、日本人に馴染み深いカニのひとつ。
筆者の住む宍道湖・中海周辺では、中海から境水道にかけてみられ、宍道湖にはいない。汽水域にも入っていくカニだが、中海よりは境水道のほうが多いようだ。
このエリアで主に漁獲される食用のカニと言えばタイワンガザミとイシガニ、モクズガニの3種。同じワタリガニ科タイワンガザミはこの中で最高の評価を得ている一方、イシガニは評価が低い。
味噌汁で食べると非常に美味なカニだが、「あおでがに」ことタイワンガザミにはかなわない。まとまって漁獲されることが少ないのもあって、スーパーなどで販売されているのは見たことがない。
非常に気性が荒く、攻撃性が強い。写真でもお分かりのとおり強力なはさみをもっているため、大型の個体を触るときには恐怖を覚えるほどだ。
大きくなればなるほど甲羅は堅くなり、歯で噛み砕こうものならこっちの歯が欠けてしまうほど。
イシガニは体色の変異があり、知らないと別種だと勘違いしてしまいそうなほど。その色は背面が緑色ぽく腹面が白いタイプと、背面が紫色ぽく腹面が赤みがかるタイプの2タイプがある。また小型のイシガニの甲には微細な毛が生えているが、大型になると毛がなくなりつるつるになる。

イシガニオスの腹面

<甲幅9.5cm・オス> マス網 2005.12.8. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■イシガニオスの腹面

イシガニオスの腹面。
通称「ふんどし」と呼ばれる腹部は長細い。

イシガニの甲

<甲幅9.5cm・オス> マス網 2005.12.8. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■イシガニの甲

イシガニの甲。
扇形をしていて、側面の棘は外に突出しない。
同じような場所で獲れるタイワンガザミガザミは甲が左右に長いので簡単に見分けることができる。

イシガニの遊泳脚

<甲幅9.0cm> マス網 2005.6.7. 島根県/松江市/八束町/中海 

■イシガニの遊泳脚

ワタリガニ科のカニは第5脚がうちわ状になっていてこれをオールのように使って上手に泳ぐことができる。

イシガニの幼ガニ

<甲幅2.3cm・オス> ジョレン 2007.11.9. 鳥取県/境港市/境水道 

■イシガニの幼ガニ

甲幅2.3cmのイシガニ。
イシガニの幼ガニは砂に潜っていることが多く、アサリ漁などで混獲されることがある。
体色は砂に似、歩脚は縞々になっていて砂底にカモフラージュされている。

砂に潜るイシガニの幼ガニ

2007.11.7. 島根県/松江市/八束町/境水道 

■砂に潜るイシガニの幼ガニ

砂に潜って隠れているイシガニ。
幼ガニは体が小さく、殻も柔らかいため、イイダコや魚などの格好のごちそうとなる。

イシガニの幼ガニ

<甲幅5.0cm> カゴ 2008.7.25. 島根県/松江市/八束町/境水道 

■イシガニの幼ガニ

水深11mの場所で漁獲された甲幅5.0cmのイシガニ。
体色はまだ黄色味が強いが体は成カニと変わらない。

緑色のイシガニ

<甲幅9.5cm・オス> マス網 2005.7.13. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■緑色のイシガニ

イシガニには緑~紫色の色々な色彩変異がみられる。
その中でも緑色のものが一番一般的。

緑色のイシガニ

<甲幅11.5cm・オス> マス網 2004.4.20. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■緑色のイシガニ

緑色のタイプのイシガニ。
甲幅11.5cmはイシガニの中でも最大級だ。

紫色のイシガニ

<甲幅9.7cm・オス> 刺し網 2004.7.8. 島根県/松江市/八束町/境水道 

■紫色のイシガニ

紫色のタイプのイシガニ。
甲は黒っぽく、表面に生えている毛がなくなりつるつる。歩脚は紫色、強大な鋏脚には水色の部分も見える。
初めてこのタイプを見たときは、イシガニとは別のカニだと思ったほど。

紫色のイシガニ

<甲幅10.8cm・オス> マス網 2005.8.9. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■紫色のイシガニ

紫色のタイプのイシガニ。

紫色のイシガニ腹面

<甲幅10.8cm・オス> マス網 2005.8.9. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■紫色のイシガニ腹面

上の個体の腹面。
赤みが強く、白い部分が少ない。

イシガニのメス

<甲幅5.3cm・メス> 手網 2016.8.12. 鳥取県/境港市/境水道 

■イシガニのメス

イシガニのメス。
体表は付着生物に覆われている。これは脱皮する際に新しい殻に代わり、きれいになくなるのでそれほど問題ではないと思われる。

イシガニメスの腹面

<甲幅5.3cm・メス> 手網 2016.8.12. 鳥取県/境港市/境水道 

■イシガニメスの腹面

イシガニメスの腹面。
この個体は紫タイプ。腹面の色が赤みがかっている。
メスの通称ふんどしと呼ばれる腹部は丸い形をしている。

イシガニの鋏脚

マス網 2005.8.9. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■イシガニの鋏脚

イシガニのはさみ。
根元には大きなコブがあり、これを使えばどんな貝殻でも簡単に砕くことができるだろう。
こんなのにはさまれたらシャレにならない。

威嚇するイシガニ

2008.11.11. 島根県/松江市/八束町/境水道 

■威嚇するイシガニ

鋏脚大きく広げて威嚇するイシガニ。
イシガニは攻撃性が非常に強く、近寄るとすぐにはさみで攻撃してくる。
水中ではもちろん、陸上においても距離を測る能力が非常に優れていて、うっかり攻撃可能範囲に手を入れようものなら、血が出るほどの痛い一撃をくらってしまう。
一度はさんでしまうとなかなか離してくれない。

イシガニの顔

<甲幅9.5cm・オス> マス網 2005.7.13. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■イシガニの顔

イシガニの顔。

茹でられたイシガニ

<甲幅9.5cm・オス> マス網 2005.12.8. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■茹でられたイシガニ

暗い色をしたイシガニも、茹で上げると非常に美しい赤色になる。
これはアスタキサンチンという赤い物質がカニ内のたんぱく質から分離したため。
赤くなった姿は同属ベニイシガニと見分けがつかないほどよく似ている。

茹でられたイシガニ

<甲幅9.5cm・オス> マス網 2005.12.8. 島根県/松江市/美保関町/境水道 

■茹でられたイシガニ

茹でられたイシガニの鋏脚。
殻が非常に堅いので食べるのに苦労するが、身の味は格別。

手網で漁獲したイシガニ

手網 2013.8.21. 鳥取県/境港市/境水道 

■手網で漁獲したイシガニ

夏の夜、岸壁をライトで照らしてイシガニを獲る。
獲るも楽しく、食べて美味しい最高の遊びだ。

カニ網で漁獲したイシガニ

カニ網 2016.8.12. 鳥取県/境港市/境水道 

■カニ網で漁獲したイシガニ

中国地方ではあまりメジャーではないが、関東ではカニ網といって、餌でおびきよせたカニをがんじがらめにして漁獲する釣法がある。
写真の個体はサンマを餌にして漁獲した。

イシガニの味噌汁

2013.8.21. 鳥取県/境港市/境水道 

■イシガニの味噌汁

それほど大きくないイシガニは味噌汁で食べると最高。
出刃包丁で真っ二つにしたイシガニを豪快に鍋に入れ、味噌汁にする。
濃厚でやさしいカニの味が堪能できる最高の一品。

イシガニの味噌汁

2013.8.21. 鳥取県/境港市/境水道 

■イシガニの味噌汁

それほど大きくないイシガニは味噌汁で食べると最高。
出刃包丁で真っ二つにしたイシガニを豪快に鍋に入れ、味噌汁にする。
濃厚でやさしいカニの味が堪能できる最高の一品。


写真提供

松江・安来ふるさと大百科
宍道湖と中海の魚たち
P40
P151

眼遊記

565 広州市 ~レストランの鮮魚たち~
523 境港市 ~カニ網に挑戦~

 

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