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アミメノコギリガザミ (Giant Mud Crab)

Scylla serrata

アミメノコギリガザミ (Giant Mud Crab)

<メス 甲幅15.5cm 555g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産

分布:日本(南西諸島)、ケニア、マダガスカル、タンザニア、インド、中国、台湾、香港、ベトナム、カンボジア、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ハワイ(移入) <水深0~50m 汽水域>
地方名:がーしめかん(沖縄県)、がさみ(沖縄県)

ノコギリガザミ属のカニは世界に4種存在し、日本にはそのうち3種生息している。
この3種(アミメノコギリガザミ、トゲノコギリガザミ、アカテノコギリガザミ)は、かつて1種だと思われていたくらい良く似ている。それに加えてどれも日本では希少な為、目にする機会が非常に少ない。一般の方が見分けるのはかなり難しいカニだろう。本種は上記の3種の中でも最も網目模様が発達しているのが名前の由来。1種だとされていたときの学名は S.serrata で、本種はその学名を受け継いでいる。アミメノコギリガザミからトゲノコギリガザミとアカテノコギリガザミが分離されたという形だ。
かつては産地でしか食べる事のできない幻のカニであったのは間違いないだろうが、インターネットが発達した現代では、産地から取り寄せる事ができるようになった。
今回取り寄せたのは沖縄県産の「ノコギリガザミ」。3種のうちどの種なのかは分からない。届いたカニを見ると初めてみるアミメノコギリガザミのメスであった。この仲間は蒸しガニにして食べるのが一番だと思う。独特の甘い香りがし、実際に身も甘い。ズワイガニなどのカニに比べると、上品な味というのがいい例えなのではないだろうか。

アミメノコギリガザミの甲表面

<メス 甲幅15.5cm 555g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの甲表面

アミメノコギリガザミの甲はなめらか。

アミメノコギリガザミメスの腹面

<メス 甲幅15.5cm 555g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミメスの腹面

アミメノコギリガザミメスの腹面。
メスは通称ふんどしと呼ばれる腹部で産んだ卵を保護するため、この部分が丸くて大きい。

アミメノコギリガザミメスの腹部

<メス 甲幅15.5cm 555g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミメスの腹部

アミメノコギリガザミメスの腹部。
エビ類ではこの部分が真っすぐ伸びている。こうしてみるとカニはエビから進化したものだというのが理解できる。
アミメノコギリガザミのメスの腹部は写真のように網目模様がはっきりとしている。

アミメノコギリガザミの遊泳脚

<メス 甲幅15.5cm 555g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの遊泳脚

アミメノコギリガザミの遊泳脚には網目模様がある。
ノコギリガザミ属3種のうち、遊泳脚に網目模様があるのは本種とトゲノコギリガザミの2種で、アカテノコギリガザミにはない。

アミメノコギリガザミの額

<メス 甲幅15.5cm 555g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの額

アミメノコギリガザミの額にある4つの歯。
この部分の特徴でノコギリガザミ属3種を見分けられるとしている情報もあるが、かなり難しいように思える。
wikipediaでは本種の歯は鋭く尖り二等辺三角形状とあるが、筆者の撮影したトゲノコギリガザミの方が上記の特徴に当てはまる。ちなみにトゲノコギリガザミの歯は正三角形状とあり、逆に本種の特徴と合致する。

アミメノコギリガザミの鉗脚腕節の歯

<メス 甲幅15.5cm 555g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの鉗脚腕節の歯

アミメノコギリガザミの鉗脚腕節の歯。
腕節というのはハサミの次にある節のこと。
この端にある歯の形状でノコギリガザミ属3種を見分ける事ができる。
上から順に1・2・3と番号をつけると、
アミメノコギリガザミでは1・2・3とも鋭くはっきりしている。
トゲノコギリガザミでは1が鋭くはっきりしていて、2と3は短く分かりづらい。
アカテノコギリガザミでは1が鋭くはっきりしているものの、2がなく、3は短く分かりづらい。

アミメノコギリガザミの鉗脚腕節の歯

<メス 甲幅15.5cm 555g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの鉗脚腕節の歯

アミメノコギリガザミの鉗脚腕節の歯。
腕節というのはハサミの次にある節のこと。
この端にある歯の形状でノコギリガザミ属3種を見分ける事ができる。
上から順に1・2・3と番号をつけると、
アミメノコギリガザミでは1・2・3とも鋭くはっきりしている。
トゲノコギリガザミでは1が鋭くはっきりしていて、2と3は短く分かりづらい。
アカテノコギリガザミでは1が鋭くはっきりしているものの、2がなく、3は短く分かりづらい。

アミメノコギリガザミのメス

<メス 甲幅16.0cm 536g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミのメス

上の個体と同時に入荷した別個体。
右遊泳脚は半円状に欠けている。フグにでもかじられたのだろうか。

アミメノコギリガザミの口

<メス 甲幅16.0cm 536g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの口

アミメノコギリガザミの口。

アミメノコギリガザミメスの腹部

<メス 甲幅16.0cm 536g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミメスの腹部

アミメノコギリガザミメスの腹部。
網目模様に白斑が点在し、とても美しい。

アミメノコギリガザミのメス

<メス 甲幅16.5cm 622g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミのメス

上の個体と同時に入荷した別個体。

アミメノコギリガザミメスの腹部

<メス 甲幅16.5cm 622g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミメスの腹部

アミメノコギリガザミメスの腹部。
網目模様に白斑が点在し、とても美しい。

アミメノコギリガザミの右鉗脚

<メス 甲幅16.5cm 622g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの右鉗脚

アミメノコギリガザミの右鉗脚。
アミメノコギリガザミの鉗脚は右と左で形状が異なり、役割も異なる。
右は硬いものを砕くのに使われる。人間でいうと奥歯だ。可動指の付け根には大きなコブがある。

アミメノコギリガザミの左鉗脚

<メス 甲幅16.5cm 622g> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの左鉗脚

アミメノコギリガザミの左鉗脚。
アミメノコギリガザミの鉗脚は右と左で形状が異なり、役割も異なる。
左はものを切り裂くのに使われる。人間の歯でいうと前歯だ。指の先端は交差している。

出荷用に縛られたアミメノコギリガザミ

<メス> 購入 2016.10.21. 沖縄県産 

■出荷用に縛られたアミメノコギリガザミ

大きな鉗脚を持ち、ものすごい力のアミメノコギリガザミは、油断すると取扱い中に挟まれて大怪我をすることがある。
このように縛るのはカニから攻撃されないようにするためと、無駄なエネルギー消費を抑えて味が落ちないようにするためと2つの意味がある。

アミメノコギリガザミの蒸しガニ

<メス> 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの蒸しガニ

アミメノコギリガザミは蒸して食べるのが一番。
加熱されると濃褐色だった体色が美しい赤色に変わる。これはアスタキサンチンという赤い物質がカニ内のたんぱく質から分離したため。

アミメノコギリガザミの内子

<メス> 2016.10.21. 沖縄県産 

■アミメノコギリガザミの内子

甲を外した状態のアミメノコギリガザミ。
中央にみえるオレンジ色の部分が卵巣で、内子(うちこ)と呼ばれる。味はないものの、食感と独特のクリーミーさがあり、日本人にはこれが重宝される。


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