眼遊 日本語
English
Top Profile Gallery Works Links Contact 眼遊記 Search

動物界(Animalia) >> 脊索動物門(Chordata) >> 条鰭綱(Actinopterygii) >> スズキ目(Perciformes)
>> カジカ科(Cottidae) >> カジカ属(Cottus)

カマキリ(アユカケ) (Fourspine Sculpin)

Cottus kazika

カマキリ(アユカケ) (Fourspine Sculpin)

<17.3cm・メス・抱卵個体> マス網 2004.1.16. 島根県/松江市/八束町/中海

分布:日本(青森県~佐賀県) <河川の中流域と下流域・河口域を降河回遊>
地方名:あられがこ(福井県)

一般の方から「この生物の正式名称は?」と聞かれることがよくある。生物ひとつにひとつだけつけられている万国共通の名前、これを学名というが、これが生物の正式名称にあたる。ラテン語で書かれていて、本種の学名は Cottus kazika だ。しかし、質問をしてきた人はそれが知りたいのではない、日本語での正式名称が知りたいと言うだろう。実は日本には学名に対して1つの名前がつけられており、それを標準和名という。
前置きが非常に長くなってしまったが、本種の和名はカマキリ。もしくはアユカケ。
そう、この魚は2つも標準和名があるのだ。『日本産魚類検索 第三版』中坊徹次編 東海大出版会 にも本種はカマキリ(アユカケ)と表記してある。
このアユカケという和名は、鰓蓋にある棘でアユを掛けて捕えるという伝承に由来するもの。この名前のイメージがとても格好よく、カマキリよりもアユカケの方が人気が高いと思う。
筆者自身もアユカケという名前の美しさに惹かれ、淡水魚図鑑を見る度にいつか見てみたい魚だと思っていたが、初めての出会いは意外にも塩分が海水の1/2程度もある汽水湖中海であった。
本種は降河回遊性で、写真の個体は冬季に産卵のために河口域へ降りてきて漁獲されたもの。孵化した幼魚は春季に河川へ遡上し、淡水域で生活するようになる。
話を学名に戻すが、本種の学名の種小名は kazika。和名カジカではなく、本種がカジカの名前を持っている。日本固有種であるため日本でしかみることのできない希少な魚。各地で生息域の環境悪化により生息数が減少している。

カマキリ(アユカケ)の鰓蓋にある棘

<17.3cm・メス・抱卵個体> マス網 2004.1.16. 島根県/松江市/八束町/中海 

■カマキリ(アユカケ)の鰓蓋にある棘

カマキリ(アユカケ)の鰓蓋にある棘。
まさに鎌のように反り返っており、この形状からアユを掛けるという伝承が生まれたのだろう。

カマキリ(アユカケ)の尾部

<17.3cm・メス・抱卵個体> マス網 2004.1.16. 島根県/松江市/八束町/中海 

■カマキリ(アユカケ)の尾部

カマキリ(アユカケ)の尾部。

抱卵したカマキリ(アユカケ)のメス

<17.3cm・メス・抱卵個体> マス網 2004.1.16. 島根県/松江市/八束町/中海 

■抱卵したカマキリ(アユカケ)のメス

抱卵したカマキリ(アユカケ)のメス。背面から見たところ。腹部が卵でパンパンだ。

カマキリ(アユカケ)の幼魚

<2.7cm・幼魚> マス網 2006.4.28. 島根県/安来市/論田町/中海 

■カマキリ(アユカケ)の幼魚

汽水域で漁獲されたカマキリ(アユカケ)の幼魚。これから河川へ遡上していくのだろう。

宍道湖自然館ゴビウスで展示されているカマキリ(アユカケ)

<飼育個体> 2017.1.12. 島根県/出雲市/宍道湖自然館ゴビウス 

■宍道湖自然館ゴビウスで展示されているカマキリ(アユカケ)

宍道湖自然館ゴビウスで展示されているカマキリ(アユカケ)。
写真でも分かるが、じっとして石に同化している。待ち伏せていて目の前を通る獲物を襲うのだろう。

 

眼遊記

559 宍道湖自然館ゴビウス ~カワヤツメがみれた~

 

 

<<前の種

 

© 2010 Takuya Morihisa, All Rights Reserved
当サイト内の画像および記事を無断で使用することを禁止します。