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マハゼ (Yellowfin Goby)

Acanthogobius flavimanus

マハゼ (Yellowfin Goby)

<16.0cm> 釣り 2004.9.10. 島根県/中海

分布:日本(北海道~鹿児島県)、韓国(南西岸)、中国(河北省、山東省)、オーストラリア(移入:シドニー湾)、アメリカ合衆国(移入:カリフォルニア州) 内湾や河口の砂泥底 汽水域~海水域
分布:ごず(島根県)

ハゼ科の魚はとても種類が多いが、その中でも最もよく釣られ、食べられ、親しまれているのがマハゼだ。マハゼの「マ」は最も一般的なものにつけられる「真」。日本人にとって最も一般的なハゼ科の魚が本種なのだ。
マハゼは年魚でわずか1年でその一生を終える(稀に生き残るものもある)。
海で生まれた稚魚は秋には河口域で群れを作る。そのマハゼの若魚を狙う釣りが各地で風物詩となっている。
サケのようにより上流を目指す遡上というよりも、適度な塩分の元で余分な体力を使わず、汽水域の豊富な餌を採って早く成長したいためであると考えられる。
マハゼの最も有名な食べ方は天ぷら。柔らかく癖のない優しい味わいで最高だ。18cmを越えるような大型のマハゼを手に入れる事が出来たなら、是非おすすめしたいのが糸造り。マハゼはこんなに美味しい魚だったのかとびっくりすること間違いないだろう。

マハゼの頭部

<16.0cm> 釣り 2004.9.10. 島根県/中海 

■マハゼの頭部

マハゼの頭部。
底生動物を捕食するので口は下向きについている。

マハゼの尾部

<16.0cm> 釣り 2004.9.10. 島根県/中海 

■マハゼの尾部

マハゼの尾鰭には矢羽のような模様が無数にある。

マハゼの若魚

<7.5cm> マス網 2005.6.27. 島根県/中海 

■マハゼの若魚

写真はマハゼの若魚だが成魚と違う点が分かるだろうか。
答えは第一背鰭にある黒点。幼魚から若魚までは黒点がみられるが、成魚になるとみられなくなる。

マハゼ若魚の第一背鰭

<7.5cm> マス網 2005.6.27. 島根県/中海 

■マハゼ若魚の第一背鰭

マハゼ若魚の第一背鰭。
黒点がみられるのが特徴。これは水中でかなり目立つ。恐らく捕食者にとってはこれが眼の位置を思わせ、攻撃する場所を頭部から背鰭にそらす狙いがあると思われる。

マハゼの腹鰭

<10.0cm> 釣り 2010.10.12. 広島県/呉市/川尻町 

■マハゼの腹鰭

マハゼの腹鰭は左右が癒着していて一枚になっており、吸盤の様な機能を持っている。

塩分の少ない場所で釣り上げたマハゼ

<14.5cm> 釣り 2003.10.14. 島根県/出雲市/東福町/平田船川 

■塩分の少ない場所で釣り上げたマハゼ

平田船川という、ほぼ淡水の川で釣ったマハゼ。
マハゼは塩分の少ないところへも遡上することができる。
特にこの個体は臀鰭が黄色いが、英名はYellowfin Goby(黄色い鰭のハゼ)になっている。それほど黄色いという印象がないが、あまり特徴らしい特徴も持っていないため、この様な英名になったのかもしれない。

大型のマハゼ

<18.5cm> 釣り 2004.1.1. 広島県/呉市/川尻町 

■大型のマハゼ

全長18cmを超えるマハゼ。
このサイズになるとマハゼでも当たりが大きいのでびっくりする。
秋に河口域で荒食いをし、冬にはここまで大きくなる。しかし、その間に人間に釣られたり鳥に捕食されたりして生き残るのはほんのわずかだ。

背面からみたマハゼ

<18.5cm> 釣り 2004.1.1. 広島県/呉市/川尻町 

■背面からみたマハゼ

背面からみたマハゼ。
筒型のような身体をしている。

23.5cmのマハゼ

<23.5cm> マス網 2007.12.27. 島根県/出雲市/湖陵町/神西湖 

■23.5cmのマハゼ

全長23.5cmにもなる大きなマハゼ。
島根県の汽水湖神西湖では何故かマハゼが巨大になる。
ここで採れる大型のマハゼには背面に金色の斑点がみられる。筆者はもしかしたら遺伝的に他の水域のマハゼと異なるのではと思っている。

巨大マハゼの頭部

<23.5cm> マス網 2007.12.27. 島根県/出雲市/湖陵町/神西湖 

■巨大マハゼの頭部

巨大マハゼの頭部。
ある程度の大きさになると眼のサイズはそのままで他の部分が大きくなるようだ。
そのため顔つきのバランスが異なっている。

巨大マハゼにある金色の斑点

<23.5cm> マス網 2007.12.27. 島根県/出雲市/湖陵町/神西湖 

■巨大マハゼにある金色の斑点

神西湖の巨大マハゼの背面には写真のように金色の斑点がみられる。当時気付いたときはもしかしたら大発見かもと思っていたが、実際はどうなのだろうか。

ウオノコバン属の1種に寄生されたマハゼ

<23.0cm> 釣り 2004.1.1. 広島県/呉市/川尻町 

■ウオノコバン属の1種に寄生されたマハゼ

釣り上げたマハゼの胸鰭をみると寄生虫がついていた。約40種がいるとされるウオノコバン属の1種だ。この仲間は魚類の体表に食いついて体液を吸って生活している。

大橋川のマハゼ

水深3.0m 2008.7.9. 島根県/松江市/馬潟町/大橋川 

■大橋川のマハゼ

島根県にある2つの汽水湖、宍道湖と中海を結ぶ大橋川で撮影したマハゼ。
他のほとんどのハゼ科と同じ様に底生性の魚だ。

水中でじっとするマハゼ

2008.8.1. 島根県/松江市/上宇部尾町/中海本庄工区 

■水中でじっとするマハゼ

昼間は捕食者にみつからないようにじっとしているのか、この個体は砂の上でじっとしていた。
砂地では体表の模様がうまくカモフラージュになっている。

大橋川のマハゼ

水深4.8m 2008.7.9. 島根県/松江市/東津田町/大橋川 

■大橋川のマハゼ

大橋川でみられたマハゼ。
川の両岸に近い斜面を好む傾向にあるが、フラットになった一番深い川の底でもマハゼは生息していた。

砂に潜ったマハゼ

2008.8.1. 島根県/松江市/上宇部尾町/中海本庄工区 

■砂に潜ったマハゼ

あまり見かける光景ではないが、マハゼは砂に潜って身を隠す事もある。

マハゼの幼魚

水深1.0m 2008.7.9. 島根県/松江市/東津田町/大橋川 

■マハゼの幼魚

遡上を始めた頃の小さな小さなマハゼの幼魚。
マハゼの幼魚はアシシロハゼの幼魚と恐ろしいくらいよく似ている。
大橋川でマハゼの調査を始めた頃は、両者を見分けるのに非常に苦労していた。
しかし、マハゼ幼魚の第一背鰭には黒い斑点がみられることに注目するようになってからは水中でも簡単に判別が出来るようになった。
この特徴は不思議な事に成魚ではみられなくなる。

マハゼの幼魚

2008.8.1. 島根県/松江市/上宇部尾町/中海本庄工区 

■マハゼの幼魚

砂底の上のマハゼ幼魚。
上手く砂にカモフラージュしている。

ホトトギスガイの上のマハゼ幼魚

水深1.5m 2007.6.6. 島根県/松江市/馬潟町/大橋川 

■ホトトギスガイの上のマハゼ幼魚

大橋川下流の中海に近い場所ではホトトギスガイが底を埋め尽くすほど大発生する。
その上のマハゼの幼魚。この景色にも同化できているのには関心する。

中海で漁獲されたマハゼ

マス網 2005.10.28. 島根県/中海 

■中海で漁獲されたマハゼ

中海で漁獲されたマハゼ。
中海では昔からよくマハゼが漁獲されている。

マハゼの天ぷら

2005.10.28. 島根県/松江市 

■マハゼの天ぷら

マハゼの最も美味しい料理法は天ぷらだろう。
身は白くふっくらしており、尾鰭の矢羽模様も粋だ。抹茶塩でいただくと最高。
見た目からは想像つかない程上品な味に驚くだろう。

マハゼの天ぷら

2005.10.28. 島根県/松江市 

■マハゼの天ぷら

絶品のマハゼの天ぷらだが、これを味わうにはまず苦労をしなくてはならない。
小さなマハゼを1匹づつ、頭部を切り落として、背開きにして骨と内臓を取り除く。かなりの根気がいる作業だ。

マハゼの天ぷら

2005.10.28. 島根県/松江市 

■マハゼの天ぷら

揚げ物をしたことがある人ならご存じだろうが、天ぷらは揚げたてが最も美味しい。
周りに気付かれないように、ひとつ、ふたつと口に入れていけば、全て揚がるころにはお腹いっぱいになっている。

マハゼの糸造り

2005.10.28. 島根県/松江市 

■マハゼの糸造り

マハゼの天ぷらが最高だと書いたが、実は糸造りも絶品だ。
全長18cmを超えるような大きなマハゼが採れたら是非糸造りにしてもらいたい。大きなマハゼ自体確保が難しいので料亭でもなかなか味わえない味だろう。

マハゼの昆布巻き

2006.1.17. 島根県/松江市 

■マハゼの昆布巻き

マハゼにはいろいろな料理法がある。
こちらはマハゼを昆布で巻き炊いたもの。

マハゼの燻製

2006.2.15. 島根県/松江市 

■マハゼの燻製

メジャーな料理法ではないが、一度マハゼの燻製をいただいた事がある。マハゼ自体が美味しい魚なので、どんな料理をしても美味い。

焼きハゼ

2007.1.11. 島根県/八束町 

■焼きハゼ

軽く焼いたマハゼを風乾したものが焼きハゼ。焼きハゼを使うととてもよい出汁が出るらしい。
昔は中海周辺でたくさん生産されていたようだが、マハゼの漁獲量の減少とともに生産量が激減している。


写真提供

宍道湖と中海の魚たちボードゲーム
宍道湖と中海の魚たち
汽水湖 中海に生きる生物たち
表紙、裏表紙、P62、P64、P116
P29

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