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動物界(Animalia) >> 脊索動物門(Chordata) >> 条鰭綱(Actinopterygii) >> スズキ目(Perciformes)
>> スズキ科(Percichthyidae) >> スズキ属(Lateolabrax)
<60.0cm> 釣り 2005.4.25. 島根県/松江市/宍道湖
分布:日本、韓国
地方名:せいご(幼魚)(全国)、ちゅうはん(30cm~60cm)(島根、鳥取)
スズキは日本、韓国に生息する大型の海水魚だ。
海水から汽水に広く適応するため、沿岸で漁獲されることが多い。ときには完全な淡水域でもみられることがある。さまざまな塩分に対応することができるようだ。
本種は古来より日本人に親しまれてきた魚。沿岸に生息するため漁業が発達していなかった昔でも比較的簡単に漁獲することができたからだろう。
幼魚はそれほど美味しくはないが、60cm級になると脂がのり、あっさりとした白身を刺身でいただくと極上の味。
スズキは肉食性のため、ルアーフィッシングでもよく狙われる。針にかかると通称「エラ洗い」と呼ばれる豪快なジャンプ、そして頭部を激しく振る行動をとり、口にかかった針を外そうとする。魚の動きにあわせて上手く竿を操らないと逃げられてしまう。
筆者が島根で釣りにのめりこんだのはこのスズキのおかげ。大学の後輩と釣りでもしてみようと松江市の中心を流れる大橋川へ行ったときのこと。なかなかルアーをうまく投げられない後輩から竿を取り上げルアーの投げ方を見せると、いきなり50cmオーバーのスズキを釣ってしまった。それ以来狂ったようにルアーを持って大橋川に通った。
宍道湖では「宍道湖七珍」と呼ばれる7種類魚介類が有名だが、本種もその中の一つ。また「中海十珍」の中にも入っている。
スズキは成長するとその大きさによって名前が変わる出世魚として有名だが、筆者の住む宍道湖・中海周辺ではセイゴ(30cmまで)→チュウハン(60cmまで)→スズキ(60cm以上)と呼ばれている。その呼び名は日本各地で異なるようだ。
筆者の携わった成魚の胃内容物調査では、宍道湖で漁獲された個体はシラウオの幼魚など、中海で漁獲された個体はケフサイソガニなどの甲殻類を多く捕食していた。これらからスズキは遊泳している魚から岩の間にいる甲殻類まで、その場で捕食しやすいものを餌としているようだ。
近年、スズキと比べて成長が早く出荷までの時間を短縮することができるという理由で、中国原産のタイリクスズキという魚が本種の代用として各地で養殖されるようになった。しかも養殖された個体が逃げ出し、野生で頻繁にみられる事態となっている。まだ再生産(日本で繁殖する)は確かめられてはいないが、この魚が増えてしまうと食性の同じスズキは生存競争に敗れ個体数を激減させてしまう可能性がある。これ以上豊かな日本の魚類相に悪影響をおよぼすようなことはやめてほしい。
<50.0cm> 釣り 2005.6.1. 島根県/松江市/玉湯町/宍道湖 |
■スズキの頭部スズキの口は上向きについており、自分より上を泳ぐ魚を捕らえるのに有利な形になっている。 |
<51.0cm> マス網 2005.3.3. 島根県/松江市/美保関町/境水道 |
■スズキの鋭い頬スズキの頬の縁はノコギリ状の鋭い棘が並んでいる。スズキ釣りではエラ洗いしたときにここで糸を切られてしまうこともあるという。 |
<82.5cm 4.6kg> マス網 2005.12.7. 島根県/安来市/中海 |
■大きなスズキの口スズキの大きな口。この口を使って餌を丸呑みにする。 |
<38.5cm> 釣り 2004.11.6. 島根県/松江市/八束町/中海 |
■ルアーで漁獲されたスズキルアーに非常によく反応するため、ルアー釣りの対象魚として非常に人気が高い。 |
<82.5cm 4.6kg> マス網 2005.12.7. 島根県/安来市/中海 |
■4.6kgのスズキ島根県中海で漁獲された4.6kgのスズキ。 |
<22.0cm> マス網 2004.4.16. 島根県/松江市/八束町/中海 |
■スズキの若魚スズキの若魚はセイゴと呼ばれる。 |
<2.2cm> マス網 2004.4.20. 島根県/松江市/中海 |
■スズキの稚魚網目の細かいマス網で漁獲されたスズキの稚魚。 |
<18.5cm> マス網 2005.9.9. 島根県/松江市/美保関町/境水道 |
■スズキとヒラスズキの幼魚島根県の沿岸では、幼魚が同属のヒラスズキと混泳していることがある。 |
<60.0cm> 釣り 2005.4.25. 島根県/松江市/宍道湖 |
■スズキの下顎同属のヒラスズキとの見分けに使われるひとつの形質として、下あごにある鱗があげられる。 |
<35.5cm> 刺し網 2006.2.6. 島根県/松江市/八束町/境水道 |
■側湾症のスズキ脊骨がぐねぐね曲がってしまう側湾症を発症したスズキ。 |
2006.8.2. 島根県/松江市/玉湯町/宍道湖 |
■スズキの幼魚宍道湖の浅瀬を泳いでいたスズキの幼魚。 |
2005.6.15. 島根県/松江市/玉湯町/宍道湖 |
■スズキによっておこったナブラ朝、宍道湖を見ると水面にナブラができていた。 |
2005.12.7. 島根県/松江市/宍道湖産 島根県/松江市 |
■スズキの姿造りスズキの刺身はあっさりとした白身で非常に美味。 |
2016.8.3. 島根県/松江市/大鯛寿司 |
■スズキの握り塩がふられたスズキの握り。醤油はつけず、そのままで。 |
2005.5.12. 島根県/松江市 |
■スズキの奉書焼きすもうあしこし。これは島根県の宍道湖七珍を覚えるための語呂合わせだ。 |
写真提供
P40 |
表紙,P56,57,58,59 |
P30 |
271 出雲市 ~キス入れ食い~ |
177 呉市 ~誕生日プレゼント~ |
123 呉市 ~父親になった日に行くシーバス釣り~ |
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